<その3>リピートされる講師、されない講師
最初に、露出頻度を高めることが最大のマーケティングと申し上げましたが、そのためには一度講演を依頼された主催者からのリピートが必須です。もちろん新規顧客開拓は大切ですが、リピーターがなければ仕事は増えていきません。
公募セミナーの場合は、いつも受講者が大勢集まる講師が良い講師です。しかし、これは講義内容よりもテーマの選び方、タイトルの付け方、魅力的なプログラムの書き方の方が重要となります。
社内研修等では、もし、あなたの講義が気に入らなくても、担当者は「ここが悪い」とは言ってくれません。ただ、二度と依頼しないだけです。
そこで今回は主催者の目から見た“こんな講師は二度と頼みたくない”をお教えしましょう。もちろん、「話が下手」「内容がない」「面白くない」「清潔感に欠ける」など常識的なNGは割愛します。
1.講演時間が延びる
時間単価で謝礼を頂いている場合に3時間の約束を3時間半話すことはサービスのようですが、まず嫌われます。3個100円のお菓子を1個サービスするのとは訳が違います。
まず、受講者が全員あなたの話を聴きたくて来ていると思っているのは大きな誤解です。中には上司の命令で嫌々来ている方もいらっしゃるでしょうし(とくに社内研修の場合は業務命令で出席されている方が少なくありません。)、遠方からの受講者は帰りの新幹線の予約をされているかもしれません。主催者としても貸会議室の場合は終了時間に制限があるため、気が気ではではありません。予定した時間内に伝えられないということは、講師として未熟です。予定よりも早く終わって受講者からクレームを受けたことはありませんが、予定時間を超えて受講者から怒られたことは再三です。
2.いつも持っているもの全てを出し切り、一所懸命ベストを尽くす
もちろん研修・セミナーにはベストパフォーマンスを発揮しなければなりませんが、持っているもの全てを出し切って講演されるのは問題です。これでは折角良い講師なので次回違うテーマでと依頼されても、いつも同じ話をしていると言われてしまいます。ネタは出し惜しみしてください。ということは幅広いテーマ、ネタを用意する必要があるということです。一芸しかない講師はリピートの頻度は落ちます。
また企業研修などでは、研修を実施したという実績作りのために開催されることがあります。そこで熱演してはしらけるばかりです。面白い話にちょっぴり役立つ話や他の人に話したくなるようなネタを提供してあげて楽しい研修にしてあげてください。ただし、研修担当者は打ち合わせの時に絶対にそんなことは言いませんので講師側でで察する必要があります。
3.連絡が取りづらい
研修講師を依頼するときに、何人か講師の候補がいる場合は、リストの上から電話して連絡の取れた人に決めてしまうことがあります。またどうしてもあなたにお願いしたいと思っているときでも何日も連絡が取れないとタイムリミットで次の講師に連絡してしまいます。電話、メールが即時に受けられないときでも24時間以内にはこちらから連絡を取るように心がけましょう。
4.原稿が遅い
同じように講演タイトルやプログラム、テキスト原稿など約束の日までにくれない講師は依頼したくないものです。忙しいのは仕方がないとしても推敲を重ねているために遅れるというのは問題です。先に述べたように常に一所懸命やる講師は主催者としては使いづらいものなのです。もちろん、一所懸命やらないと言ってもパフォーマンスが落ちては困ります。この辺が講師の実力の見せ所でしょう。
5.空気(受講者の反応)が読めない
話のマクラに自分の経歴、自慢話を延々とする方がいます。講義内容に自信のない証拠です。主催者として後ろに座ってい.ると、10分経っても本題に入らないと受講者のいらだちが感じられます。
また、反対にやたら謙遜する方がいます。「私のような者が講師として・・・」などと言うのは、あなたを講師に抜擢した主催者に対して、これ以上失礼なことはありません。詳しくはいずれ「講演の始め方」の項を設けたいと思っています。
受講者に受けていなくても自分の用意したプログラム、話のレベルを変えられない講師もいます。自分の話に酔わないで、受講者の反応を見て臨機応変に対応して貰いたいものです。
受講者の反応を読むのと同時に主催者の反応も気にしてください。口では「良かったです。」と言っていても、心の中で「二度と頼むか」と思っているかもしれません。
私は主催者として、「役に立った」という反応よりも、「面白かった、楽しかった」という参加者の反応を重視しています。
これ以上書くと、講師への恨み辛みになってしまいますので、今回はこの辺で。
一般社団法人 人財開発支援協会では、食えるプロの研修講師になりたい人のために「研修講師育成講座」を開講しています。講演テーマ、プログラムの相談などなど修了後のフォローアップも充実していますので、おすすめです。
次回は、いよいよ講演の依頼があったとして、一番難しい「講師料の決め方」についてお話しします。
© 2011 Ryuji Fukuda
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