<その1>研修講師になるには?
研修講師になるためには、どうしたらよいのでしょうか?
答えは簡単です。「私は研修講師です。」と宣言すればよいのです。資格も経験も必要ありません。その瞬間、あなたは研修講師になったのです。
ただし、当然プロとして食っていけるか否かは別の話です。
最初の仕事は、コネか紹介か、あるいは自分で主催して受講者を集めることになります。いずれの場合にも必要なのは人脈で、自分で主催するとしても受講者は知り合いを集めなければなりません。つまり豊富な人脈を持っていることこそが研修講師の最大の資質ということができます。
自分で主催するセミナーでは絶対に利益は出ませんので、あくまでも宣伝を兼ねた実習の場と割り切ってください。
さらに、セミナーを開催したらはサイトにアップしましょう。できればセミナーポータルサイトにも登録するのが理想です。
自身のウェブサイトも必要です。主催者はあなたのことを調べるのに必ず利用します。ブログやツイッターも結構ですが、きちんとしたウェブサイトも立ち上げましょう。載せる記事がないとしたら、それが問題です。なんのために研修講師をしている(する)のか。たとえ生活のためであってもそこでは目的、理想を語ってください。
講師登録、紹介を行っている会社もあります。無料でしたらどしどし登録してよろしいのですが、仕事はほとんど来ないと思ってください。だから金を払ってまで登録する必要はありません。
そんなに多くありませんが、講師を公募している研修機関もあります。実績がないと採用されるのは難しいと思いますが、ニーズの参考になりますので、ダメ元で応募するのも良いでしょう。
セミナーの主催会社、企業・自治体の研修担当者など講師を依頼する担当者は、新しい講師を発掘する余裕はありません。インターネットや出版物を利用して研修テーマ、講師を探しています。従って、名前の露出頻度を上げること、これが最大のマーケティングです。サイトでよく見かける名前イコール有名な講師というイメージになります。従って、売れている講師と売れない講師の二極分化が進んでいきます。
もちろん、リピートしてもらえる講義をすることは必須ですが。リピートしてもらえる講師につきましては、いずれお話しします。
また、自治体などは横の繋がりが強いので口コミも次の仕事を得る大きな要素になります。
肩書きも重要です。単に「研修インストラクター」などという肩書きでは売れません。「○○研究所 所長」とか「○○コンサルティング 代表」とか適当に名乗りましょう。法人化するか否かは次回の「独立研修講師のビジネスモデル」の項でお話しします。
「売れる講師の三種の神器」というものがあります。「社名(屋号)」と「著書」とできれば大学などの公的機関の肩書き。
著書は自費出版でも構いません。企業に営業に行くときの格好な宣材、お土産になります。
非常勤講師などの話があったら、どんなに安くても引き受けましょう。
如何に有名な企業で出世していたとしても、元職の肩書きで仕事ができるのは退職後1年です。
中小企業診断士などの資格は、あっても邪魔になりませんが、それで研修講師として食っていけるほど甘くはありません。弁護士、公認会計士、税理士、社労士などの資格はテーマによっては必要です。
言わずもがなですが、今時メールもワードもパワーポイントもできませんという方は論外です。できればこの程度のホームページも自分で作成してください。
独立して仕事をするということは、何でも自分でやるということです。
実際に、プロの研修講師になる課程は、当協会顧問の岩井俊憲氏がブログ「研修講師への道」で研修講師としての自らの経験を連載しています。そちらもご参考にしてください。
一般社団法人 人財開発支援協会では、食えるプロの研修講師になりたい人のために「研修講師育成講座」を開講しています。人脈構築など修了後のフォローアップも充実していますので、おすすめです。
次回は、独立するには自営がよいか?会社設立がよいか?など「独立研修講師のビジネスモデル」のお話です。
© 2011 Ryuji Fukuda |